十二月、街には煌びやかなイルミネーションが施されて、家路を急ぐ人々であふれ返っている。
みんな、それぞれ自分の大切な人が待っている家を目指しているのだ........。
車の窓から外を見つめながら僕はふと物思いに耽っていた。
僕の場合は............どうなのだろう.............
信号が青に切り替わった。僕はアクセルを踏んで車を発進させた。
相変わらず、助手席の彼女は窓の外を眺めているばかり.............
惣流=アスカ=ラングレー、元エヴァンゲリオン弐号機パイロットであり、現在はNERVドイツ支部技術部主任
彼女と僕の関係をあらわす単語はいくつか存在する。
戦友、同僚、同居人、同級生...................
だけど、それらの単語が二人の関係の本質を物語っているとは言い難い
僕たちはエヴァのパイロットとして使徒と戦い、そして、サードインパクトを体験した
そんな、普通の人間とはあまりにもかけ離れた僕達は簡単には言い表せない複雑な関係なのだ
だから、僕は思う。
アスカと普通の出会い方が出来ていたら、あるいは結ばれることも出来たかもしれなかったと............
それは僕のエゴに過ぎないのかもしれないが、それでも僕はそう思わずに入られないのだ
Hallejah in the snow
「そういえば、もう明日なのね..........。アタシが帰るの...............」
まどの方を見つめていたアスカがポツリと呟いた
そう、明日は12月24日。クリスマスイブである。
世界中で祝われる聖なる夜................................
しかし、僕には明日が何の日だろうが関係ない
明日で彼女は、アスカはドイツに帰ってしまうのだ
アスカのその何気の無い一言が僕の心に絡み付いてくる
(明日で..........アスカは..........帰ってしまう。このまま..........なにもいえずに.........)
僕は正直な所、焦っていた
アスカとはもう、二度と会えなくなるんじゃないかと言う不安に駆られていたからだ
(だけど、今の僕に彼女を引きとめることは出来るのだろうか?彼女を傷つけた僕に.........)
僕は昔、誰かが言った言葉を思い出した
ヤマアラシのジレンマ―――自分の大切な者に触れようとすればするほど、その人を傷つけてしまう―――
今の僕の状態が当にそれなのだと思う................
アスカがこんなに目の前にいるというのに彼女に触れようとすれば、また傷つけてしまうのだ
そうこうしているうちにマンションの前まで来ていた
僕達は階段を昇っている間、終始無言のままだった
ねえ、シンジ................
ん?
どうして、私があなたに抱かれたか理由の方はまだ言ってなかったわよね...............
その事なら言わなくていいって言ったじゃないか.............
いいえ、言わしてもらうわ、あなたに抱かれた理由を.............
....................................。
復讐なのよ..........あなたに対するね...............
復讐............?
あなた、アタシのこと好きなんでしょ...............
.................!!
やっぱりね............だから、あなたに抱かれたのよ.................
それが復讐なの.......................?
あなたにとって大切なものが消えてしまうのはどういう気分かしら?
..............................................................
あなたの大切な「アタシ」があなたから消えてしまったら、あなたはさぞかし落胆するでしょうね................
.................アスカ................
そう.............僕は気づいたときはすでに彼女が仕掛けた甘い罠にはまっていたのだ
アスカは僕のアスカにたいする想いを見抜いていて僕に抱かれたのだ
そして、そのまま僕の目の前から姿を消せば僕は深い絶望に襲われる.............
それこそまさにアスカの僕に対する最大の「復讐」なのだから.............
だけど、今夜も僕の腕の中には彼女がいる
そして、罠とは知りながらもそこから抜け出せずにいる僕がいた
彼女を抱く最後の夜..............
明日になればアスカはドイツに帰り、恐らくは二度と僕の目の前には現れない................
彼女の復讐は完成し、僕は彼女を傷つけた罰を受けるのだ
僕はいつものようにアスカを起こさないように上半身を起こしタバコに火をつけた
まどの外には雲一つ無い満天の星空と普段よりも明るく輝いてる月
僕はその月をみると一人の少女のことを思い出す
(綾波.........、僕はどうすればいいんだ..............)
「ンジ.............シン..............ジ」
ふと、僕を呼ぶ声に我に返る
どうやら、アスカが寝言をつぶやいていたらしい.............
そっと彼女の髪をなでる
相変わらず彼女は向こうを向いたままでどんな表情をしているのか分からない
「一人に............しないで..................」
だから彼女の瞳から零れた一筋の涙に僕は気がつかなかった............
to be continued
というわけで、ホントにお久しぶりでございます。G−MAXです。
一ヶ月以上、更新の方をしていないで申し訳ございませんでした。
なんだか知らないのですが、深刻なスランプに陥っていました。
作品を書こうとは思うのですが、中々、ストーリーの先を書くことが出来ずに大苦労しました。
そうこうしているうちに大学のほうも新学期が始まってしまいまして、新入生の歓迎なんかで忙しくて
つい、更新がおざなりになってしまいました。非常に申し訳ございませんでした。
さて、「Hallelujah in the snow」ですが、前、中、後の三つに分けると言っていたのに、大嘘をついてしまいました。
次回こそ、なんとか話を完結させようと思いますので、ホントにご容赦ください。
というわけで、新学期早々、謝ってばかりですね。
まあ、みなさんの期待を裏切っている分、最終話はいい話にしようと思っていますので
気長に待っていてください。
というわけで、今回も墓穴を掘りまくったG−MAXでした。
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